派閥を乗り越えて ~2018冬・変化するジャニーズ事務所を追う~[冬コミ]
ブログではお久しぶりです。くっつんです。
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派閥を乗り越えて ~2018冬・変化するジャニーズ事務所を追う~[冬コミ]
【目次】
1 はじめに
2 派閥とは
3 派閥誕生のきっかけ
4 派閥の解消
5 ジャニーズ事務所の変化(会社編)
6 ジャニーズ事務所の変化(タレント編)
7 ジャニーズ事務所の変化の要因
8 ジャニーズ事務所の闇と今後について
1 はじめに
『派閥(はばつ)とは組織内において利害で結びついた人々によって形成する集団』
この書き出しでジャニーズ事務所内の「派閥」について触れたのが2014年の個人コラムでした。
あれから4年、今、ジャニーズ事務所はものすごい勢いで変化を遂げているのをご存知でしょうか。
今回は近年のジャニーズ事務所の移り変わりについて、いちジャニヲタから見た目線でご紹介します。
2 派閥とは
かつて、ジャニーズ事務所には大きく分けて3つの派閥が存在している、と囁かれていました。
ジュリー派:ジャニー喜多川さんの姪、藤島ジュリー景子さんがマネジメントするタレントで構成される最大派閥。嵐、関ジャニ∞などが属する。
飯島派:SMAPのマネージャーを努めた飯島三智さんがマネジメントするタレントで構成される。長年SMAPのみだったが、近年Kis-My-Ft2、A.B.C-Z 、Sexy Zoneなども属していた。
ジャニー派:無派閥とも称される、ジャニー喜多川直轄の派閥。Kinki Kidsやタッキー&翼、デビュー前のジャニーズJr.などが属していると言われていたが実態はあいまい。
なお、ジャニー派については派閥争いの火種になることは少なかったため、実際にジャニー派という派閥が存在していたかどうかは分かりません。
次章からは主に、ジュリー派と飯島派について触れていきます。
3 派閥誕生のきっかけ
デビュー当時鳴かず飛ばずの売れなさで事務所から見放されていたSMAPを、その手腕でブレイクさせた飯島さんに対する「やっかみ」から始まったもの、というのが大きな説です。
それまで家族経営で事務所を運営し、その全ての実権を握っていたジュリー派としては面白くなかったのかもしれません。
その頃からSMAPはジャニーズ事務所の他グループと距離を置かれるようになり、阪神大震災復興を目的として作られたJ-FRIENDSや、ジャニーズアイドルが総出演する年末のカウントダウンコンサートにも出演できないという日々が続きました。
その後、飯島派とされたKis-My-Ft2やSexy Zoneも嵐とは共演させてもらえないなど、ファンの目からも分かるレベルで何かの力が働いていることは明白でした。
4 派閥の解消
2015年1月、週刊文春にある記事が掲載されました。
それは、ジャニーズ事務所副社長で、ジュリーさんの実母である、メリー喜多川さんへのインタビューです。
そこで、メリーさんはジュリーさんが「次期社長『候補』」と紹介されていること、また他の候補とされているであろう飯島さんを含めた派閥問題について大変腹を立て、インタビュー中に飯島さんを呼び出し、
「もしジュリーと飯島が問題になっているなら、私はジュリーを残します。自分の子だから。飯島は辞めさせます。それしかない。」と明言しました。
その後、飯島さんは2016年1月にジャニーズ事務所を退社し、直後にSMAP解散報道が流れ、同年末をもってSMAPは解散しました。
これをもって、飯島派は事実上解体され、事務所に残った木村拓哉、中居正広以外の飯島派のタレントはジュリー派に吸収されたのではないかと推測されています。
現在、木村拓哉はジュリー派に近い形で事務所からのバックアップを受け、2018年には嵐の二宮和也と映画での共演を果たしました。
しかし、中居正広はいまだに飯島派としての扱いを強く受けており、また飯島派であったKis-My-Ft2やその派生グループである舞祭組のプロデュース活動をSMAP解散前と変わらず積極的に行っています。
なお、飯島さんを追うような形で、2017年9月には稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾がジャニーズ事務所を退所し、新たに「新しい地図」というプロジェクトを立ち上げました。
現在、3人が所属する事務所の社長は、飯島さんが努めています。
5 ジャニーズ事務所の変化(会社編)
飯島さんの退所後、ジャニーズ事務所はものすごい速さで変化を遂げているようです。
ここでは、近年のニュースから、事務所の変化について紹介します。
まずは、会社としてのジャニーズ事務所の変化から。
・インターネットメディアへの懐柔
ジャニーズ事務所は、所属タレントの肖像権の管理について厳しいことで有名です。
特にインターネットメディアへの写真や動画の掲載については今まで一切許可していませんでした。
そのため、映画の舞台挨拶などでは、ジャニーズタレント主演の映画でも、インターネットメディア用のジャニーズタレント抜きの写真と、雑誌媒体用のジャニーズタレントありの写真を撮影するなど、いびつなプロモーションが行われていました。
2018年1月以降、そのような写真の掲載制限が徐々に撤廃されており、現在ではほぼすべての媒体においてジャニーズタレントの写真や動画が掲載されるようになりました。
また、Youtubeにジャニーズ事務所公式チャンネルを設けたり、月額会員向けコンテンツ「Johnny's web」では、タレントが発信するコンテンツでも本人達の顔写真を見ることが出来るようになりました。
(各ファンクラブ会員のみのサービス)なお、ジャニーズ事務所所属タレントは個人SNSを禁止されていると推測されるため、TwitterやInstagramなど一般向けに公開される媒体では、依然として本人達の活動を知ることはできません。これは女性アイドルを応援している方々にとっては衝撃的なことではないでしょうか。
・デジタルコンテンツの利用
2016年頃まで、ジャニーズ事務所はその運営においてデジタルコンテンツの利用をほぼ行っていませんでしたが、近年その取扱いが変化してきました。
代表的な事例として、チケットの申し込み方法の変化をご紹介します。
今までは、ハガキか電話回線を利用して申し込みをし、当選確認も電話回線、代金の振込は郵便局の払込票で事前振込をし、落選した場合は手数料を差し引かれた金額が返金され、その後簡易書留で紙のチケットが送られてくる…という方法をずっと取ってきました。
これが2017年頃から、インターネットでの申し込み、当選が判明してからのPay-easy利用をしてのインターネット振込、チケットはデジタルチケットでの配信…と、デジタルコンテンツを利用した形に大きく変わりつつあります。
また、2018年には今まで存在しなかったジャニーズ事務所コーポレートサイトがついに開設され、その中でジャニーズ事務所の組織体系についてはじめて公に示されたり、「公共交通機関の利用マナーについて」などのメッセージを、マスコミ宛てのFAXだけでなくサイトに掲載して注意喚起する、といったように、徐々に事務所内部からの発信事項が増えつつあります。
どれも現代の会社経営の常識からすると考えられなかったことですが、やっと最低限時代に追い付いてきたのではないかと考えられます。
この他にも、コンサート会場でグッズを購入する際に利用する「グッズアプリ」や、一部グッズを通信販売する「ジャニーズショップオンラインストア」が設置されるなど、徐々に社内でのデジタルコンテンツの利用が始まっています。
一方で、iTunesへの楽曲配信を行っていないなど、現在でもデジタルコンテンツへの間口を開いていない部分もあるので、このあたりが今後数年で変化があるのかどうかは気になるところです。
6 ジャニーズ事務所の変化(タレント編)
会社の社内体制の整備とともに、近年、所属タレントへの扱いに対しても大きな変化が見られるようになりました。
ここでは5つの事象を紹介します。
・「所属タレント」の位置づけの変化
ジャニーズ事務所は、CDデビューをした段階で所属タレントとしてのマネジメントを受けることが出来ます。
つまり、CDデビューができない限り、いつまでも所属タレントとして認められない、という状況が続いていました。
そのため、CDデビューが出来なかったタレントは、ある時期に自身で一定の見切りをつけて、事務所を退所するしかありませんでした。
ところが近年、生田斗真や風間俊介、屋良朝幸など、ジャニーズJr.黄金期を支えたソロで活躍するタレントの増加により、
新たに「CDデビューをしていない所属タレント」という枠組みが追加されました。
明確な基準は示されていませんが、2018年現在、おおむね30歳を超えた時点で事務所から功績を認められ、その後の活躍が見込まれる場合に所属となるようです。
これは、CDデビューをしないと未来がないと感じていたジャニーズJr.にとっては、事務所に残る選択肢が増えたことになるのでしょうか。
・King&PrinceのデビューによるジャニーズJr.の動向
そんな中、ジャニーズ事務所として4年ぶりとなるCDデビューをするグループが決まりました。
ジャニーズJr.として人気を誇っていた6人によるユニット「King&Prince」です。
4年ぶりではありますが、4年前のデビューはジャニーズWESTという関西を拠点に活動しているジャニーズJr.のみで構成されたグループのため、
東京を拠点に活動しているジャニーズJr.を含むグループのCDデビューは、Sexy Zone以来、実に7年ぶりの出来事になります。
(なお、2012年にDVDデビュー、2014年にCDデビューをしているA.B.C-Zについては。Sexy Zoneデビュー以前に結成されたグループであり、今章で語るジャニーズJr.としての区分分けには馴染まないと考えたため、このような表記になっておりますことをご了承ください。)
King&Princeは、元々「Mr.KING」「Prince」というグループとして活動していたメンバーが1つのグループとなってデビューしたものです。
近年、東京を拠点に活動しているジャニーズJr.の中には、KingPrinceの他にもいくつかのグループが存在します。
前述のとおり、CDデビューをしないと所属タレントになることができないジャニーズ事務所にとって、複数あるグループの中からデビューするグループが現れたということは、
他のグループにとっては、しばらくデビューの機会がないことを示唆しています。
そのためジャニーズ事務所は2018年より、CDデビューをしていない人気グループに所属するジャニーズJr.とも専属契約を結ぶようになった、と一部報道により伝わってきました。
これはジャニーズJr.にとっては賛否両論があるようで、「専属契約制度」が出来たことにより事務所を退所することになったのではないか、と囁かれているグループも存在します。
・病気など仕事以外の部分の公表
今まで、ジャニーズ事務所所属タレントは「1グループ1人までしか結婚できない」と噂されていたこともありましたが、
昨年V6のメンバーが相次いで結婚を発表するなど、年長メンバーやグループに所属していないソロタレントの結婚報告が相次いでいます。
また、近年病気による活動休止報告を行うメンバーが増えてきました。
以前なら病気をしているということが表に出ることなく、そのまま仕事を続けていたと思われるタレントたちの体調について公表することで、業界関係者やファンに対しての説明責任を果たすようになってきたのでしょうか。
・退所や休業に対する対応
また、近年所属タレントの退所が相次いでいます。
以前は退所するタレントが10年に1人程度だったことを考えると、退所の自由がほぼなかったと考えていいのではないでしょうか。
ところが、最近は退所だけでなく、学業での休業なども柔軟に認めるようになってきています。
これは事務所内のタレントに対する扱いが変化してきていることによるものではないかと推察されます。
・スキャンダルに対する対応
最後に、ジャニーズ事務所とは切っても切り離せないスキャンダルについてです。
ジャニーズ事務所と言えば、以前はマスコミ報道を完全にコントロールし、週刊誌にスキャンダルは掲載させない、逆に報道してほしい内容は大きく取り上げさせるような圧力が働いていたように感じます。
ところが近年では週刊文春がジャニーズ事務所に忖度をしないような内容の記事を多く掲載するようになりました。
また、そのような報道があっても以前はジャニーズ事務所が公式にコメントを出すことはほとんどありませんでしたが、最近では迅速なコメント発表や対象メンバーに対する処分などを公表することで、早めの火消しを狙っているように感じます。
7 ジャニーズ事務所の変化の要因
さて、ここまで近年変化著しいジャニーズ事務所の内情について紹介してきましたが、今までてこでも動かなかったジャニーズ事務所がこのように急速に変化している要因はなんなのでしょうか。
これは私の完全な推察ですが、おそらく大きな要因は、
「飯島三智さんの退社」
の2つではないか、と考えます。
・飯島三智さんの退社
先述のとおり、飯島さんはSMAPとともに現在のジャニーズ事務所の発展に長年貢献してきた人物であることは間違いありません。
また、飯島さんの特徴として、時代の先端を行くクリエイターとコラボレーションすることにより、数多くの前衛的な作品を生み出す、という仕事を得意としていました。
これは、基本的には自社のリソースを利用し、芸能界における圧倒的な権力でマスコミを動かしながらタレントをマネジメントするジュリーさんとは対照的なスタイルであったため、
恐らくですが、業界には「飯島さんとだから、ジャニーズ事務所と仕事がしたい」と感じていた関係者が多くいたのではないかと思います。
その飯島さんをジャニーズ事務所が退社に追い込んだということは、ジャニーズ事務所の歴史の中でもかなり大きなマイナスとなる出来事であり、それをきっかけに業界内にも多少影響があったのではないでしょうか。
そのため、業界関係者への説明責任を果たすことで、今後もいいお付き合いをしていこうという考えに至ったのではないか、と感じます。
また、SMAP解散騒動ついては、おそらくジャニーズ事務所が想定していたより何倍もの世間からの反響があり、結果としてジャニーズ事務所全体の世間的イメージの低下につながってしまいました。
これを払しょくするために、近年「クリーンな会社」としてのアピールを始める必要性が出てきたのではないか、と考えます。
日本の芸能界は、一部の古巣芸能事務所が圧倒的な権力を誇示している業界です。
ジャニーズ事務所はその一翼を担っているため、今までは多くの事務所にとって不都合な出来事を、おそらくもみ消してくることができたのでしょう。
しかし、近年のテクノロジーの進化により、徐々に今までと同じではうまくいかなくなってきました。
以前はマスコミからの情報を鵜呑みにするしかなかったファンたちが、インターネットの普及により自ら情報を得ることができ、更に情報を発信することもできるようになりました。
おそらく、当初ジャニーズ事務所は「とはいえうちには関係のない出来事だ」という判断で対策を行わず、従前の経営方法を取ってきたのですが、前述のファンからの発信や、インターネットメディアの勃興を抑えきれなくなってきました。
そこで、ついにテクノロジーの進化と向き合うことにしたのではないか、と考えています。
余談ですが、ジャニーズ事務所のこうした変化がファンの目にも見える形で表れ始めたのは、飯島さんの退社後、SMAP解散時期直後からでした。
現在、飯島さんはジャニーズ事務所が不得意としているインターネットメディアを駆使して、「新しい地図」の3人のプロデュースを行っています。
もちろんすぐにサービスをリリースできるわけではないので、時間をかけて準備をしていたのだとは思いますが、ジャニーズ事務所としては、奇しくも、袂を分かつことになった相手に追随するような形で様々な取り組みをを進めていったように受け止められる結果となりました。
8 ジャニーズ事務所の闇と今後について
さてここまで、この4年程の間にジャニーズ事務所に起こった出来事とその変化についてまとめてきました。
現在、見た目には派閥もなくなり、所属タレントにもファンにも優しい事務所に変わりつつあるように感じられるジャニーズ事務所。
しかし先述のとおり、現在もいくつかの「ジャニーズ事務所の闇」を感じています。
2018年現在の私個人の感想として感じている主な闇は、次の通りです。
・木村拓哉と中居正広の事務所内格差(中居のファン向けサービスが開設されないなど)
・旧飯島派タレント(Kis-My-Ft2、A.B.C-Zなど)がジュリー派のタレントといまだに共演させてもらえない、共演機会が少ない
・経営陣に反発することへの制裁(今井翼や、ジャニーズJr.内ユニット「Love-Tune」の退所などがこの件との関係性を噂されています。)
私個人の思いとしては、飯島さんとSMAPをこのような形にしたジャニーズ事務所に対する怒りの気持ちをずっと持ちながらも、
ジャニーズ事務所が提供してくれるコンテンツは大好きなので、どうか今後の事務所の健やかな発展のためにも、事務所の経営体制が現代の会社経営になじむように変化してくれることを願うばかりです。
そして、今後所属タレントの不本意な報道や処遇によって傷つくファンが一人もいなくなり、安心して心から応援できる芸能事務所として存続してくれたら嬉しいです。
この文章はSMAPファン目線での、あくまで私一個人の意見を多く反映した内容になっています。
捉え方は皆様にそれぞれかと思います。
ただ、一人のジャニーズファンが、ジャニーズを応援する上で、こんなことを感じながらヲタ活をしているということを、
少しでも知っていただけたらなと思い、筆を取りました。
29日に頒布する本には、楽しいことも沢山書いてあるので 笑
ぜひ、お楽しみに~!